滂沱に咲く

霧が深さを増していく 君を隠す程に
天は哀苦をため込みもう溢れ出しそうだ

泥水に ただ気高く咲く君は何より美しくて
臆病な心が宙を泳いでいた

絶えない雨よ 弱さを隠して下さい
小さな花弁が散ってしまう前に
怯える心のまま吠えてしまえたら
一滴の悲しみを拭えるか

鈍く唸る曇天よ 明日は今も見えなくて
僕は届くだろうか
その手を放さずにいられるだろうか

終の日に 僕の躯が海へ流れ消えたとして
それでも君を忘れずにいたいよ

絶えない雨よ狡さを隠して下さい
言い訳探す日に戻らないように
傘もない傷だらけの両手だけど
隣で濡れることくらいは

絶えない雨よ弱さを隠して下さい
小さな花弁が散ってしまう前に
怯える心のまま吠えてしまえたら
一滴の悲しみを拭わせてよ
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