夜明けのラズリ

夏の日暮れと 風に靡く長髪と
街を望む柵の向こう
僕はこの世の終わりを見ていた

どこにでもある物語にならぬ日々
だけどそれだけでいいよ
悲劇は作り話だけでいい

凪いでしまった
あなたが朧になった
なのに胸は痛いまま

笑ってよ
こんな困難な世界に迷い込んだんだ
ああ、だけどあなたは言ったんだ
でも生きている

笑ってよ
なんでこうなった?
願って空を飛んだんだ
ああ、そして辿り着けるんだ
どこか遠くのあなたへと

歳を取るほど傷は少なくなるけど
恐れを知らず駆けていた
あの頃の景色はもう見れない

「幸せに」ってあなたは笑ったの
だけどそれは叶わない

わかってよ
こんな今日なんかどこの誰が望んだんだ
ああ、明日もあなたに会えないと
わかってるけど

笑えないこんな冗談は
どこで違え 狂ったんだ
ああ、ひとり裸足でらったった
赤く腫れた傷を拭う

どこにでもある物語にならぬ日々
だけどそれだけでいいよ
特別な人生じゃなくてもいいよ

幸せなんてどこにもないの
あなたがいないなら

笑ってよ
こんな困難な世界に迷い込んだんだ
ああ、だけどあなたは言ったんだ
でも生きている

わかってよ
こんな今日なんかどこの誰が望んだんだ
ああ、明日もあなたに会えないと
わかってるけど
願っている
できることならもう一回生きてみたい
あなたと共に
×