母ごころ

わが子が愛(いと)しい ただそれだけで
母はおんなの 命をけずる
白さが目立つ 束ね髪
逢うたび小さくなる その背中
なさけの灯火(ともしび) 母ごころ

いくつになっても 母娘(おやこ)は母娘
通う気持ちは 海山千里(うみやませんり)
囲炉裏(いろり)の火より あたたかい
届いた手紙の ひらがな文字に
しみじみ泣けます 母ごころ

苦労の涙や おんなの愚痴(ぐち)は
ただの一度も こぼさず見せず
あなたが生きて きたように
歩いて行きます この人生を
強くてやさしい 母ごころ
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