浜町流し

胸の火照りを 扇子(せんす)でいなす
若いお梅は 売れっ子芸者
乱れほつれ髪(げ) 気づいたら
撫(な)でておくれな その指で
巳之(みの)さん お梅の 命です
知っているのは エエお月さん

粋な黒塀 数寄屋(すきや)の二階
水も涼しき ここ柳橋
鏡 見とれて ひく紅は
嘘と罪との 重ね塗り
箱屋の 巳之吉 男なら
降らざ晴れまい エエ胸の雲

雪がしんしん 浜町海岸(がし)を
座敷帰りの 相合傘で
添えた手と手が 運命(さだめ)なら
とられなくない 巳之さんは
お梅の白刃が 雪に舞う
晴れざ融(と)けまい エエ赤い雪
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