セレナーデ

その肩の 向こうの空に
待ってる人が あなたにはいて
黄昏に 都会は沈み
うるんだ瞳に 灯りがともる

ひとりきりで 歩いて行ける きっと 君は
眉をひそめ あなたは時計を気にしてる
忘れないで 微笑みを投げ返すけれど
これ以上 悲しみを抱けない

ずるいのは さびしいと言わなかった私
ずるいのは あの人と比べていたあなた

向き合って 港を見てた
なじみの店も 今は ないけど
たたんでも たたみきれない
思い出だけが あざやかなまま

いつの日にか 振り返ることも もう忘れ
通り過ぎて 人はあやまちと言うでしょう
もう 帰るわ ひとりでさまようあの日々へ
繰り返す 波音を背中に

ずるいのは 嘘つきと責めなかった私
ずるいのは さよならと言わなかったあなた

忘れないで 微笑みを投げ返すけれど
これ以上 悲しみを抱けない

なぐさめは 最後まで信じていた私
なぐさめは 街の灯に もう見えないあなた
×