さよならになりました

春を待つ僕の生活は
いつまでも救われてはいけない
焦がれ続けてやっと最期に穏やかな眠りを
風孕むあなたの翠は
またすこし大人びたみたい
変わらないんじゃない、理解らないのよ
ずっとなんてないこと

花冷えの様にさもしさが覗かせる
弱さこそ、この筆に込めたい
祈る、祈る。どうか誰かの歌になれと

風光る この街の上誰がために咲き、散る運命と
春、晴れり、ハラリ、桜木の下巡らせている
陰日向で揺れて舞う淡紅に赦されるなら
幸福になりたい
何ひとつとして、もう遺せなくなるくらい

歌うことすら忘れるほど春に溺れてしまいたい
言葉をすべて棄てるほどに満たされたのなら

花開け言の葉の群れ いつか実を結ぶと信じて
去るばかりが愛と何もそう悲観するなよ
咲き満ちて零れてまた萌ゆる日を夢みるように
静かに永眠りたい
誰ひとりとして、ほら忘れてしまうほどに

「春」
君を一番短く表す言葉

巡る季節を忘れるほど歌に溺れて生きるから
足りない何かを埋めるように書き続けるから
(君を待つ、花開く、風光る)
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