北の駅

ひとりで 生(い)きる 淋(さび)しさは
枯葉(かれは) 木枯(こがら)し 北(きた)の駅(えき)
迎(むか)えてくれる 人(ひと)もなく
送(おく)ってくれる 人(ひと)もない
あゝ 待合室(まちあいしつ)の 灯(ひ)の暗(くら)さ

吐息(といき)で くもる 窓(まど)ガラス
指(ゆび)で なぞれば なおくもる
涙(なみだ)の粒(つぶ)が 邪魔(じゃま)をして
思(おも)い出(で)だけが 立(た)ちどまり
あゝ 心(こころ)を揺(ゆ)らす 冬木立(ふゆこだち)

おろかで あれば あるほどに
恋(こい)に 女(おんな)は 身(み)をけずる
せつない恋(こい)よ さようなら
二人(ふたり)で旅(たび)した 思(おも)い出(で)の
あゝ 夜汽車(よぎしゃ)を待(ま)つの 北(きた)の駅(えき)
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