下弦の月

冬の海に流れ着いた 舟のような下弦の月
浅瀬ばかり泳ぐ私に 沖へ行けと言うのですか

誰も幸せにできなくても ひとりだけで生きてはいけない
心なんていつも ただ 欲しいものをねだり 泣くから

哀しみを抱いて 孤独も抱いて
慈しむ強さを 身につけなさい

愛はここに ここにあるもの
信じれば かならず なにかが見える

ほんとはもうない星さえ 空にいまも輝いてる
時は前に進む生き物 飼うことなどできはしない

代わるものがない めぐり逢いを どんなときもくりかえしている
なのにヒトはいつも なぜ 気づかないのだろう なぜだろう

苦しみを抱いて 痛みも抱いて
受け入れる強さを 身につけなさい

すべてここに ここにあるもの
信じれば かならず なにかが見える

もっと 脆さも抱いて
歩き出す力を 身につけなさい

愛はここに ここにあるもの
信じれば かならず なにかが見える
×