秋明菊 - Reproduced 2025

明けない夜を望んだ
君の消えた部屋を
想像してはそっと濁した

豊かさを得る為だけに
君の愛し方さえ
何処かへ置いてきた

潮が満ちれば茫と映える月
儚く揺れて

緩み綻んだ糸は二度ともう
縛られないように風に舞う
雲に隠れるように

停滞と偽善と感情論がこの差異を
切り離していく
点と線で描かれる前の白紙へ

「枯れない花が咲いた」
そう吐いた僕の嘘を君は
見透かしていたんだろう?

繋いだはずの手の温もりが
潮風に攫われて
あの部屋へ置き去りに

涙を見ても何も思わなくなる
こんな不感症な己を殺すんだ
自責の念が

堪えた涙はすっと頬を
撫でるように落ちて
海に溶ける 音も立てず

停滞と偽善と感情論が
この差異を切り離していた
点と線で描かれたはずの情景
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