初夏の出来事

しかめつらをしながら 私はあなたに向かう
今日も自転車をこいで
熱気で息も思う様に出来なくて いるだけで汗が頬を伝う

麦わら帽子の 隙間から少し 光が差した

あなたと見た 川沿いにあった大きな
びわの実も静かに熟れて
南からの吹いてくる風が私を また困らせようとする
灼けつく日々をくり返す

ベッドの上のあなたは 今は何か頼りなくて
いつもより小さく見えた

あなたの寝顔 その細い腕に 私はそっと

キスをした ゆっくりゆっくりあなたの
その胸に聞き耳をたてた
目を閉じて こんなにも虚しさが
音も無く伝わった
青空までも切ない
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