北の岬

北の岬を 吹きさらす
夢も凍てつく 氷風
すがるお前を 振りすてた
男のわがまゝ こころで詫びて
ひとり流れて 津軽から
ヒュルル ヒュルルル ヒューヒュルル
ヒュルル ヒュルルル ヒューヒュルル
今日は能登路の 能登路の旅の果て

鉛色した 荒海に
風のまぼろし 三味の音
弱い身体で 待つと云う
お前の噂が 千切れるような
北の半島 降る雪は
ヒュルル ヒュルルル ヒューヒュルル
ヒュルル ヒュルルル ヒューヒュルル
足の底から 底から吹き上げる

風に追われて 北の海
しぶき舞いとぶ 冬の華
凍る涙の 痛みより
お前の真心(こころ)が この身を責める
届く噂の その先は
ヒュルル ヒュルルル ヒューヒュルル
ヒュルル ヒュルルル ヒューヒュルル
怒涛逆巻く 逆巻く波ばかり
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