荒野に針路を取れ

生れて来た意味は知る由も無いが
此処に立って「今」を見据えている
それは傷つき疲れ果ててはいるが
走り出す姿勢を保っている

見渡す限り、青空
旅立つには良い日和だ
水たまりに映る街が
心の風景によく似ていた

「夜が明ける前に覚悟を決めろ」
幾千夜、それを唱えたか
迫りくる闇の中にこそ
探していたものがある筈だ

身を乗り出して手を振って
サヨナラを繰り返して
人々の旅は続く
境界線を飛び越して
嵐の荒野に踏み出して
人々の旅は続く

明日に何があるか知る由も無いが
生きている「今日」を見据えている
悲しみは不意に溢れて来るけれど
溺れてちゃ走れないんだ

頭の上から嵐が吹いて
涙代わりの歌を歌って
人々の旅は続く
歩幅をちょっと広く取って
目を開いて、風を切って
人々の旅は続く
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