もやい酒

障子越しの 月灯り
風に流れる 竹の影
三味の音色の 裏側に
言えぬ言葉を 爪弾けば
酔ったふりして 眠る人

分け合うほどの
しあわせ ないけれど
せめて 今夜は
せめて 今夜は
あなたと もやい酒

たったひとつの 盃を
注しつ注されつ 愛の瞬間(とき)
惚れた弱みの わがままに
膝の枕の 重さだけ
今はあなたを 一人占め

分け合うほどの
夢は 見れないけれど
だから 今夜は
だから 今夜は
あなたと もやい酒

分け合うほどの
しあわせ ないけれど
せめて 今夜は
せめて 今夜は
あなたと もやい酒
×