独白

まるで本当だったように君には聞こえたろう
僕でさえも信じてしまいそうになるのさ
怖いね

息を吸って吐くように、花を飾るように
舌の上で優しく溶けるような嘘をついた

疚しい卑しい醜い悍ましい
僕が可笑しいでしょう?
言葉に出来ないほどに愚かな

夢が醒めないように、夢が醒めないように
騙し続けてあげる
やがて来る朝も夜にしてあげる

雨に濡れないように、雨に濡れないように
この白い部屋を出られなくても
許されますように。
嘘をつくから。

物分かりが良くて、少し芝居じみてて
どこまで本当のことに気付いてるの
怖くないの?

疚しい卑しい醜い浅ましい
僕を暴かないで
これ以上、くだらない朝日に怯えないで

与えられた時間は全部、君に笑って欲しくて
後はどうだって良くて
合わなくなる辻褄、溢れそうだ、ほんとうが

君は泣いてたんだっけ
あの日泣いてたんだっけ
それが気に入らないだけ
空が、眩しくて 焼け焦げた夢

嘘をついてたんだっけ
嘘をついてたんだっけ
僕が溶けて消えてなくなってしまっても
いい程に、止められなくなって

夢が醒めないように、夢が醒めないように
騙し続けてあげる
お別れの明日も、明々後日になる

約束の朝に、約束の朝に
僕の嘘はただの独り言に成り果てました。
つまらないな、つまらないな。
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