つわぶきの花

あんないい人 いないわと
意見聞かずに 列車に乗った
秋の陽ざしに 揺れている
つわぶきの花 親ごころ
親を棄てても 男のもとへ
走った娘を 叱れない

むかしわたしも 父さんに
惚れて駆け落ち して来たものよ
今はひとりに なったけど
つわぶきの花 咲き匂う
あの人誰にも 譲られないと
みつめた娘の 目がつらい

先が見えない ふたりでも
力あわせて しあわせになれ
動く列車の 窓にみた
つわぶきの花 色を増す
いのち投げ出し する恋だって
つまずきゃ帰って 来ればいい
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