月夜舟唄

月は夜空に 千鳥は磯に
寝たか淋しい 艪の音ばかり
島のあの娘に 届いておくれ
波に流れる 船頭唄

若い身じゃもの 艪櫂(ろかい)を抱いて
恋(こが)れ泣きする いとしさつのる
潮の瀬の瀬の まんまる月よ
うつせ可愛い あの顔を

明日は逢えるか 椿の蔭で
握りしめたや あの手を胸を
波にもまれて しぶきに濡れて
月に男の 船頭唄
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