男泣き

泣くな怒るな 云うたじゃないか
一夜情けは 恋じゃない
じゃまな女と 手をはらい
一人になって 男泣き

時よ時節に 流されて
路地から路地も 変りはて
昔かわらぬ 胸のうち
夢を見るのさ 男泣き

何もきくなと 故郷(くに)をでた
夜の都会の 野良犬が
父にかくれた母便り
封も切れずに 男泣き

お前叱った 夢を見た
夢から覚めた しみじみと
情けあるのか 情(じょう)なしか
情けないぞと 男泣き
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