夕凪

時間は止まったまま
静かに動き出した
揺れながら向かう先は
誰にもわからない場所

時代は移り変わり
何度も人は止まる
この景色も去年と
大分変わってしまったな

数ある中から自分で選んだ
この道さえも愛せなくなってる

夕凪の街には孤独の雨が降ってやまない
鼓動のリズムも狂って、私たち波のよう
終幕の朝には全てが元の姿で
滲んだページにまた戻った

いつもの臆病風は
私をかき乱して
いざ歩くとバランスを
崩してはよろけてしまう

沈んだ心は海のように暗くて
息をしようにも苦しくなって

朝露の先にはぼやけた冬が待っていたんだ
白いまま摘まれてしまった、私たち花のよう
空白の心は全てが音になって色付く
言葉は心をすり抜けて

忘れない忘れないでいてねあの夜も君のことも全部
私は私で覚えているから

曖昧な言葉で繋いだ生活の中
失う怖さにいつも、痛いほど怯えて
終着の朝には全てが動き出すから
ここから全ては元どおりに
結んで開いてまた解けて
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