夏聲

空気の揺らぐほどの暑さに
夏を裂くくらい君の声響いて

雲さえ溶かすほど 燃える季節の青
胸を揺らすような 声が一つ響いて
“ガムシャラ”の辞書引いて思った、「君のことだ。」
炎天の光に 祝福されたみたい

ちっぽけな戦争だ ニュースなんてならない
世界は変わったりしない
そんな舞台の 夢中になる君
そのキラキラが 弾けるように

もっと羽ばたけ群青の空 飛び越して
風の騒ぐ声も 君の主役 奪える訳がないよ
置き去りにしていってよ 追いかけたいから
胸の奥 気付きそうな言葉に 気付かないふりして

真っ白な飛行機雲 なぞる世界の地図を
憧れてるのだろうか 届かない問いの解
大きく育った感情だ 名前は調べてない
炎天の気怠さには 不釣り合いのブルー

はみ出せない言葉に折り合いをつける
眩しさに傘を差さないよう
ただ見守らせて それ以上はいらない
秋が来ないような 夏を見せて

もっと輝け群青の空 飲み込んで
誰も疑えない 君の主役 鳴り響くファンファーレを
置き去りにしていってよ 届きたくないから
胸の奥 鳴り響いた鼓動に 聞こえないふりして

何年経っても思い出すような 肌を焦がしていく温度
君の背に 追いつくように
精一杯の声あげて
空気の揺らぐほど燃えるこの夏に
蝉時雨さえ掻き消した情熱
響き渡る 記憶に何度も焼き付くような景色に
胸の奥がノックされている

もっと羽ばたけ群青の空 飛び越して
風の騒ぐ声も 君の主役 奪える訳がないよ
置き去りにしていってよ 追いかけたいから
胸の奥 鳴り響いた鼓動に
心臓が 気付きそうな言葉に 気付かないふりして
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