柔らかいローウィン

「きっと、月の裏側で、ウサギは、涙を流し、
蒼い星に帰りたい、そう想い、泣いている。」

そっと、呟いた君は、地面に、月を描いた
赤くはれた、目を細め、イビツに、3個、作った

つつかれた、ダンゴムシのように、丸くなる
君の、しゃがんだ、その背中

痛みはもう、君の頬を濡らし
光に、揺れた
ローウィン、ローウィン、ローウォン

全てを、銀に、染めてしまう
もう泣かなくていいよ

「今は、遠いとこだけど、いつか、旅行に行けるよ。
そしたら、迎えにゆこう、僕が運転するから。」

バカだね、と、君は泣き笑い
もう一つ、イビツな月を、描きました

痛みはもう、君の頬を濡らし
光に、揺れた
ローウィン、ローウィン、ローウォン

全てを、銀に、染めてしまう
もう泣かなくていいよ

泡のように、空へ昇ってゆく
光に、揺れて
ローウィン、ローウィン、ローウォン

イビツな月が、柔らかさに、見えて。
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