不感症

「ねえ、思い出したら忘れてくれよ。案外さ、生きていけるそう出来てるよ」
「ねえ、仕方ないこと増えていっても諦めに慣れちゃいけないわ」

ねえどんな痛みも慣れてしまうなら
二人だけの痛みがやけに愛しい
ねえどんな光に包まれようとも
私の暗闇はあなたを見てる

「ねえ、仕方ないなら仕方ないからそれぞれで幸せになろうね」
どんな痛みを飲み込んでいけば
ありふれた優しさを使いこなせる?
ねえこんな時代の歯車の中
ネジが外れた夜が小さく軋む

刹那、知ってる言葉吹き飛ばして
持ち寄った微熱で街焦がして
荼毘に付す夜にあなたは居たんだね
手を取って踊って溺れさして
抱き合ってよがっては燃え上がる
寂しいんでしょう?

ねえどんな痛みも慣れてしまうなら
二人だけの痛みがやけに愛しい
ねえどんな痛みも慣れてしまうなら
悲しいほどに僕ら強くなれる
ねえどんな光も霞むくらいには
傷に塗れた僕らはきっと美しいし
理由はいらない 君は生きてる 僕は生きてる
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