shiro

今年の風邪はタチが悪いって
実家から毎年同じ電話
違うことと言えばショーウインドウに映る
影が一つ増えた事くらい

歩幅をそろえるたび
なんか照れくさくなるよ
何話せばいいのかわかんないや
黄昏に灯っていく木立のイルミネイション
この哀、曖昧、Me 愛しい

積もる雪が
薄汚れた僕とこの街を覆い隠す今夜
このままほら
少し触れた指先 離さず
ふたり、歩いてみよう

ひとつひとつ シミになっていく
コートに落ちる雪のように
いつかは消えてなくなるのかな
時計の針 凍ってしまえばいいのに

次はいつ会えるのって
聞いたりしないかわりに
ちょっと強引に貸してくれたマフラー
甘い香りのせいかな? 酔いがまわりキスした
帰り花が揺れる

積もる雪が
置き忘れたぬくもりを
空から届けてくれる今夜
白いマフラー
先っちょに触れた明日を離さず
手繰り寄せてみよう

ねえ いつか
この雪が全部溶ける頃
恋の本音も少しは見えるといいな
いや 見えないくらいがちょうどいいかな
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