惑星

未だに僕は君を探して
遥か宇宙の果てを彷徨う
不時着したのは
カラフルな惑星
君のスカートの柄に
よく似た毛並みの
生き物を見つけた
記録しようと思う
そいつは僕に懐いたようで
『サン』と名付けた
古い小説家に擬えて

気づけば夜だ 三つの月が
僕とサンを照らして瞬いた
気温は摂氏マイナス50
サンは僕を包んでくれた
君の匂いがした

どうしてだろう
君がここに
いるはずないのに
不思議に思う
今もどこかの惑星で
僕を待っているのかな
妄想ばかり夜空に浮かべたよ

目を覚ましたら
サンがいなくて
怖くなってそこら中を探している
夜の礼もできてないよ
「どこにいるの?」
しばらく経って
見たことのある毛並み
僕は駆け寄るんだ優しい友達に
冷たくなって動かないその友達に

大切にしたいものばかり
滑り抜けてゆくなら
泡だらけの幸福とかいらないよ
僕は最初から何も望まない

どうしてだろう
君がここに
いるはずないのに
不思議に思う
今もどこかで
僕を探しているのか
妄想ばかり夜空に浮かべたよ
痛みに近い愛を憶えたまま
×