北の都の物語

雪の夜に傘をさせば 内地育ちと
一目でわかってしまいます
だから肩を寄せただけで 歩きましょうと
あなたははしゃいで腕をとる
夜汽車の笛がさびしく通り過ぎ
重い恋に足をとられ 二人よろめく
北の都のものがたり

やはり私 北の女 ここをはなれて
生きては行けない気がします
雪の夜が似合うだけの 女でしょうと
あなたはさびしく横を向く
ほのかに照らす小窓の雪あかり
にがい酒を口に含み 二人しみじみ
北の都のものがたり

あれから三月 あなたを忘れかね
いつの間にか 北の町も 夏の化粧を
北の都のものがたり
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