あの頃私は

怨む気持は すこしもないの
そうね お礼を いいたい程よ
あの頃 私は まずしくて
アパートを借りる お金もなかったわ
ちっちゃな人生 働きくれて
お酒にすがった 毎日でした

ぼくのお店で 働かないか
そうね あなたに 誘われたのね
女というもの 弱いもの
罠だと知らずに 本気にしたのよ
幸せだったわ あなたとふたり
一緒の暮しを 夢みていたわ

そのさき私に 話せというの
そうね 今夜は 時間がないの
いまは一人で 生きられる
それだけは言える 私になったわ
別れた彼との あいだには
今年二つの 子供がいるわ
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