祇園町から

誰か待ってて 呉れそうな
そんな気がして 出はしたが
誰も待たない 俺ひとり
さくら月夜の 祇園をよぎる 石だたみ

さ霧やさしい 高瀬川
都をどりの 遠囃し
ひとりぽっちは 俺だけか
これが京都の なごりの春の 横顔か

四条小橋の 猫やなぎ
枯れた梢にゃ 芽が吹かぬ
俺もお前と 同じこと
枯れた恋なら みやこの水に 棄てるのさ
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