築地明石町

川風がもつれさせたか 糸柳
義理が絡んだ 柵を
切ってあなたと暮らしたい
ああ 夢が流れる 築地川

暮れ六つの 鐘に身体が 急ぎ足
逢瀬重ねた 舟宿に
嘆いてくれたは 都鳥
ああ 明日は我が身か 捨て小舟

ガス燈の 灯り咽ぶか 影法師
浮世芝居の 幕引きを
知っているのは お月さま
ああ 夜が流れる 明石町
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