風雪夫婦花

「ここで逢ったが 百年目」
「千年目だヨ」と 黙って笑う
夫婦風雪 幾春秋
他人(ひと)の噂も さらりと流し
ふたりで越えた 九十九(つづら)坂

押しかけ女房も 板につき
いつしかあなたの 寄り添い地蔵
山あり谷あり 幾山河
春の名残りに また逝く秋に
夕陽もしぐれる なさけ川

おんなの涙か 細雪
いのちを燃やした みちのくの宿
あなたとならば いつの日か
赤い椿の ちいさな蕾
咲かせてみせます 夫婦花
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