愛愁路

なにをさがしに どこまでゆけば
すむというのか 男の旅は
にげた女の 噂を追って
さすらう心 酒で割る
答え あきらめ 余りは未練

汽車よ 急ぐな 宛てない身には
旅の灯りも 愛しいものよ
冷えた駅弁 ひろげた膝に
こぼれてつもる 思い出を
箸でひろえば 涙が落ちる

世間知らずと 笑われながら
好きを通して 南へ走る
汽車にあずけた 命の軽さ
七つを捨てた 人生に
残る一つの 灯りをたずね
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