早春譜

さくら散るたびに 足もとに降る
竹の箒持ち 掃けどきりがない

白き花びらの 上をゆく蟻たち
そっと庭に残し かたずける春を

急ぐ事はない 若葉の時が
今にやって来る 春をしまう時

仔犬走らせて 水辺に遊ぶ
川の温もりを 指で確かめて

風が吹き抜けた 一瞬に水面揺れ
まるでモネの描きし「睡蓮」の絵のよう

ただの平凡な 景色に見とれ
ひとり微笑んでる 私 印象派

ひとり夜空見て 子供にかえる
星座探しては 指で結んでいる

その指先の 天の川横切り
流れ星 流れるが 願うことがない

そうか もう私 幸せなのか
願い事もなく 星を見送るから
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