哀愁列車

惚れて 惚れて
惚れていながら 行(ゆ)くおれに
旅をせかせる ベルの音
つらいホームに 来(き)は来たが
未練心に つまずいて
落す涙の 哀愁列車

燃えて 燃えて
燃えて過した 湯の宿に
うしろ髪ひく 灯(ひ)がひとつ
今宵逢瀬(おうせ)を 待ちわびる
君の幸せ 祈りつつ
旅にのがれる 哀愁列車

泣いて 泣いて
泣いているのを 知らぬげに
窓は二人を 遠くする
堪(こら)えきれずに 見返(みかえ)れば
すがるせつない 瞳(め)のような
星がとぶとぶ 哀愁列車
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