時雨の宿

雨をみつめて飲む酒は
虫の声まで沁みてくる
呼んでいるのかあのひとを
未練涙がまた残る
あゝ時雨の 時雨の宿

しまい忘れた風鈴は
いまの私と似た運命
泣いているのか風のように
遠い想い出恋しがる
あゝ時雨の 時雨の宿

ひとり枕で聞く唄は
いつか憶えた流行り唄
夢でみるのか過ぎた日を
ふたり暮した遠い町
あゝ時雨の 時雨の宿
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