あさがお

仕立ておろしの 浴衣着て
ひと箸つけた 冷麦の
妹の つたない箸さばき
思い出します あの夏の日

花火見つめる 縁側で
ビール片手の 父がいた
傍らで寄り添う 母の手は
そっと団扇を あおいでた

あの夏は もう帰らない
あの夏は もう帰らない
今年の夏も 庭に朝顔は
咲いているでしょうか

鼻緒が切れた 夏祭り
ハンカチ裂いて すげ替えた
妹は 片足立ちをして
じっと待ってた あの夏の日

氷イチゴと 朝顔と
家族そろった 夏休み
妹も 私も 嫁いでも
忘れられない あの家が

あの夏は もう帰らない
あの夏は もう帰らない
今年の夏も 庭に朝顔は
咲いているでしょうか

あの夏は もう帰らない
あの夏は もう帰らない
今年の夏も 庭に朝顔は
咲いているでしょうか

咲いているでしょうか…
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