ラクガキフェンス

蝉の声響く午後 君といたあの夏 想うよ
焼けた肌 ぬける空 勢いで見に行った海

いつもと違う一秒が 確かに流れていた日々

あの思い出に会いに走り出す 優しい波音するあの海へ
隣りにもう君はいないけど
二人服のまま波打ち際で ふざけて水かけ合った夏に
もう一度戻れる気がして

ありふれた優しささえ あげられずそのまま
身勝手な理由付け 一方的に君の事突き放した

無理して笑顔くれた君 見れずに避け続けた日々

あの思い出に会いに走ってく 357をぬけてあの海へ
隣りにもう君はいないけど
じゃれ合ってよくつねったその頬 涙で濡らした日の後悔を
拾い集めておきたくて

迎えてくれた広がる青 眩しすぎた汗を忘れた
砂浜のフェンスに二人で 描いたラクガキ思い出す
うすく残るこのラクガキの 横に小さく足されてた
見慣れた君の文字で一つ
「楽しかった ありがとう!」

今思い出を前に立ち尽くす 優しい波音するこの海で
過去の涙は 消せないけど
君を傷つけた分も誰かを 大切にしてあげられるように
そうなれるように

あの思い出背にして走り出す 茜に染まりだした幕張の海を

二人服のまま波打ち際で ふざけて水かけ合った夏は
いつまでもこの胸の中
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