闇の薫り

眠りが覚(さ)めかけたとき
薄目をあけて見ていた

あなたの静かな寝顔
ひたいの汗 そっとふれてみた

重ねた腕がしびれ
少しずつ 躰をずらす

愛した時間は 夢でもなく
こうして ここに肌に感じている

甘くて むせるような薫りの
くちなしひとつグラスにある

ほんのり 心地良いだるさ
ぬくもりの中で しっとり感じる夜
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