女優

今スクリーンでは 女優という名の私が
まるで歌うように 台詞を喋っている
そう出来ることなら 偽りの自分脱ぎ捨てて
熱いその腕の中 飛び込んでゆきたいのに…
泣きたい時に泣いて 笑いたい時に笑いたい
もうあの名声も 何にもいらない
だからあなた早く
私を何処かへ 奪って欲しい…

あの照明の中で 女優が輝き増すたび
何故かあなただけが 遠くへ離れるの
そうたとえどんなに 上手に演技をしたって
そこにいる私は 脱け殼の人形なの…
泣きたい時に泣いて 笑いたい時に笑いたい
もうあの華やかな 世界は厭(いや)なの
過去のすべてを捨てて
あなたとふたりの 生活(くらし)がしたい…
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