母の暦

庭先で 水差しながら
微笑むやさしい 母の顔
肩の荷おろし する暇もなく
生きてきたのね この日まで
暦に刻んだ あなたの人生
私に見えます 窓越しに

いつまでも 気がかりなのね
幾つになっても 子は子供
何もお返し 出来ないけれど
せめて云わせて ありがとう
暦に刻んだ あなたの足跡
私の心の たからもの

しあわせは 急がばまわれ
遅れてくる程 味がある
母のくちぐせ 聞く度思う
十九 二十歳の 若い頃
暦に刻んだ あなたの人生
今では私の道しるべ
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