螺旋のプロローグ

抱きしめた指輪には 螺旋のプロローグ…

静かな迷路 囁く蜜
絹の舌には 果実のサイリウム
私に恋なんて教えないで
悲しいほど臆病だって
貴方、知ってるでしょう?

抱きしめた指輪へと広がる森の中
本当は待っていたの
始まりの涙から呪文が生まれ
柘榴は愛の歌奏でる
宝石になる筈よ 甘いよ…

夜を招いた 神話の窓
割れて夢呼ぶ 廃墟のオルフェウス
地上の恋なんて罪深いと
欲しい人を避け続ける
痛み、わかるかしら?

眠り姫ね私は 予感の切なさで
定めの木から落ちる
囚われてさらわれた貴方の籠よ
触れれば朱(あか)に染まる指に
口づけてみたくなる こわいの…

嗚呼 素直になれたら
全て投げ出して どこでも行ける?

螺旋昇るプロローグ 永遠の果て
二人は彼方へと漂う
抱きしめた 指輪へと広がる森の中
本当は待っていたの
囚われてさらわれた貴方の籠よ
ふるえる柘榴を噛んだのね
甘いだけ? 苦くても許して…
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