夕挽歌

夕暮れの買物が好き 店に灯りを吊るす頃
客を呼ぶ言葉の荒さ そうね心は温かい…
日一日 惜しくなる 手放した 年と月
線路沿いに行き違う 見知らぬ顔も懐かしい…
もうどこにも行かないわ この夕陽と生きて行く
父も 母も かくれんぼ
隣を歩く人 今はないけど

自転車が追い越して行く 何を急いだ私なの
穏やかなお寺の鐘に 生きる歩幅を思い出す…
幸せは住んでいた 昔から この路地に
誰が折った露草の 一途な青が目に沁みる…
もう明日を捨てないわ この夕陽がある限り
やっと 上がる 遮断機に
駆け出す子供たち ここはふるさと

もうどこにも行かないわ この夕陽と生きて行く
若い 父と 若い母
背中で教わった 歌を支えに
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