影ぼうし

心に刻んだ 夢がある
返しきれない 恩もある
ふたつ両手に ぶらさげて
俺はふるさと 後にした
母が手を振る 影ぼうし

転んで手をつき 知らされた
大地(つち)の優しさ 逞しさ
広い都会の 片隅で
今日もおまえと 二人連れ
泣いているのか 影ぼうし

日向を歩いて いる時にゃ
人の情けに 気付かない
暗い路地裏 吹く風に
肩を叩かれ 愛を知る
いのち温める 影ぼうし
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