小夜しぐれ

こころの嘆(なげ)きを 嘲笑(わら)うよに
窓で浮かれる 雨の音
眠れるままに 酔えないままに
夢にもいちど 染まりたい
呼べど応えぬ 小夜(さよ)しぐれ

どんなに別れを 悔やんでも
雨は逆さに 降りゃしない
身を退(ひ)くことで つらぬく愛に
ひとりおんなの みれん酒
しゃくな雨です 小夜しぐれ

逢えないあなたに 身を焦がす
おんな哀しい おくれ髪
叶わぬことと 知りつつ祈る
せめて灯して 恋あかり
胸に傘さす 小夜しぐれ
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