おりおりの酒

髪をおろして 足袋を脱ぐ
女ごころが まだ迷う
愛に背(そむ)かれ 何度も泣いた
こんなわたしで いいのでしょうか
おりおりの酒に 夢を見て
そっと拭き取る 濡れた紅

花を散らせた 春の風
月をかくした 秋の雲
何が怖いの この先ずっと
ぼくがいるよと 肩抱くあなた
おりおりの酒に 夢を見て
枕明かりを 消す夜更け

右手つないで 歩く道
やがて芽吹きの 冬木立
思いかよわせ 寄り添うひとの
日向みたいな 男の匂い
おりおりの酒に 夢を見て
帯を解きます 花の宿
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