ビートルズを聴いてはいけません

1966
僕たちが無邪気な小学生だった頃
ある日 先生が朝礼でこう言った
「ビートルズを聴いてはいけません」
耳まで髪を伸ばしてる
不良たちの音楽と教えられた あの6月
来月から始まるプールの授業だけが
胸 躍らせる出来事だったんだ
プロ野球選手にも
宇宙飛行士にさえなれると信じてた

ジョンが殺されて
僕たちもそれなりに 大人の日々 送る頃
もう日本の音楽の教科書に
ビートルズの歌が載っていた
僕は今でも耳よりも髪を伸ばし
あの頃の友達もあきれている
子供たちが聴いてる音楽にもなじめず
それでも今が一番好きなんだ
きっと20年後も
願えば何にだってなれると信じてる

あの6月
4人の不良たちが羽田に降り立った日
いつもの夏が ただ始まったんだ
今ある幸せとか 今ある悲しみとか
知らずにいた夏
未来を信じてた いつものあの夏
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