ほんとはね。

本当はね、あの頃みたいに 誰かにそっと 触れたいんだよ
本当はね、いつもみたいに あなたにそっと 触れたいんだよ

何にもなくなって 気がついたんだ ぽっかりと空いた 心の穴を
当たり前に 埋めていてくれたんだ 僕を想って 傍に居てくれたんだ

宛もなく探した 二人だけの結末に
あなたは気づいて 見て見ぬフリで ポケットに隠した

どれたけ 愛しても 愛しても 帰らない あなたに焦がれて
当たり前を知っているのなら これこそ運命
いまさら 泣いても 泣いても 帰れない 思い出を抱いて
悪いのはきっと僕だから 未来など壊せない

今はまだ 甘えさせて この温もりと 眠らせて

強がることが あなたの誠実さへの
唯一汚れなき 安定剤 精一杯の体裁

どれたけ 愛しても 愛しても 帰らない あなたに焦がれて
当たり前を知っているのなら これこそ運命
いまさら 哭いても 哭いても 叶わない 分っていたこと
悪いのはきっと僕だから 涙など零せない

本当はね、どうでもいいんだ つまらぬ嫉妬、焦燥の類いだよ
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