100通の手紙

白い便箋に
右上がりの文字
何度も 何度もしたためて……

口には出せない
思いを晴らすの
あなたが まだ 愛しい

窓から射し込む月明かり
青いインクよ
一途さが目にしみる

100通の手紙が
引き出しに眠って
この恋の長さを教える
100通の手紙が
私の
どこにも 届かない 愛よ

宛名はいつでも
書かないでいたの
心がつぶやくだけでいい

私が死んだら
一緒に燃やして
誰にも 気づかれずに……

時間の向うに忘れられ
色褪せて行く
大切な思い出よ

100粒の涙が
追伸を滲ませ
愛してた深さを知らせる
100粒の涙が
私の
“かしこ”で結ばない 愛よ

100通の手紙が
引き出しに眠って
この恋の長さを教える
100通の手紙が
私の
どこにも 届かない 愛よ
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