恋歌ふたたび

めまいがしたなら 転げて落ちるような
苔むした 寺の石段
危なげな 足どりで
傘さす女が おりて行く

女の盛りを からだにまといながら
うつむいた 顔の哀しさ
なにゆえの 寺まいり
くちびるきりりと 噛みしめて

あのひとに 恋歌を
ふたたび 恋歌を
女を捨ててはいけないと
誰か歌ってあげておくれ

黄昏せまれば 背中で鐘が響き
小雨降る 寺の茶店で
二度三度 ためいきを
お茶飲む間に もらしてる

はるかな昔の 激しい恋のために
情熱を 使い果たして
今はもう 過去ばかり
夢みているよに 見えている

あのひとに 恋歌を
ふたたび 恋歌を
その身を縛っちゃいけないと
誰か歌ってあげておくれ

あのひとに 恋歌を
ふたたび 恋歌を
女を捨ててはいけないと
誰か歌ってあげておくれ
誰か歌ってあげておくれ
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