桜、舞う

雨は止んだの 傘から出した
白い指先 透き通る爪
すれ違うとき結んだ視線
ふと花びらが切り落としてく

散る散る風に花ふぶき
あれからいくつ春を数えて
散る散る空は桜色
逢えない恋も舞う蝶になる

哀しいくらい若かったから
瞳の奥に灼(や)きついた顔
流す涙に誘われたのか
ふと花びらが頬に貼りつく

散る散る風に花ふぶき
満開の下 揺れる幻
散る散る空は桜色
儚い夢も舞う蝶になる

散る散る風に花ふぶき
あれからいくつ春を数えて
散る散る空は桜色
逢えない恋も舞う蝶になる
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