夜汽車

胸に突き刺さる発車のベルに
追われるように飛び乗った
東京へ向かう最終列車
君から最後の手紙読み返す
“さようならあなた さようなら
ひとりで私は生きる”
華やかな 都会のネオンに
君は染まってしまったのかい
あゝ涙で震える文字が君の
うらはらな気持ちを伝えてくれる
今泣き叫ぶ夜汽車の汽笛
君を呼ぶように夜を貫く

都会の風に吹かれているうち
白い花が黒く淀むように
君は淋しさを埋めるため
ただの女になってしまったのかい
心変わりを告げる君の
戸惑う横顔目に浮かぶ
華やかなネオンのドレスは
心まで変えてしまうのか
あゝ愛は束の間の蜃気楼
逃げる程追いかけたくなる
今泣き叫ぶ夜汽車の汽笛
君を呼ぶように夜を貫く

秋は深く夜のしじまを蹴って
悲しみ乗せた夜汽車は走る
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