祝日

丘を走る 草の匂い 光が堕ちる もぎ取られていく
首を傾げ 耳を澄ませ その手をはじく 鳴り止まぬ声を

橋のたもと 水面跳ねる 影とはぐれて 戻らない姿
風に聴こう とぎれとぎれ 千切れた糸を ポケットにつめて

やがて静かに根を張り飲み込まれ
いつか無邪気な角が生え

砂を纏い生まれ変わる 名前を持たず同じ目を開き
夜を宿し 嘘を隠し 乾いた土を頬張りながら

闇を運ぶ 星を数え この手に止まれ 壊れないように
花に例え 拾い集め 濡れて浮かんだ 干からびた景色

やがて遙かな空へと漕ぎ出して
檻の中誘う声

踊り狂え 縛り付けて 氷細工の前髪を揺らし
街は壊れ 怒り温め あどけない身体転がり続ける

二度と戻ることは無い 海を越え
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