背くらべ

柱のきずは おととしの
五月五日の 背くらべ
粽(ちまき)たべたべ 兄(にい)さんが
計ってくれた 背のたけ
きのうくらべりゃ 何のこと
やっと羽織(はおり)の 紐(ひも)のたけ

柱に凭(もた)れりゃ すぐ見える
遠いお山も 背くらべ
雲の上まで 顔だして
てんでに背伸(せのび)していても
雪の帽子(ぼうし)を ぬいでさえ
一(いち)はやっぱり 富士の山
×